恵みの雨がきた
朝から鎌倉で庭仕事。土がカラカラ、植物たちも人もなんだかげんなり。
青空がひろがっていたのに、冷たい風がさっと吹き、雷とともに雨がきた。
夕立のように激しく、カエルは鳴き始め、空は暗くなって、水面はあっというまに波紋だらけ。
梅雨なのに梅雨じゃない日々。ようやく恵みの雨がきた!
植物はすこぶる喜んでいる様子。庭仕事の手をとめ、空を眺め、庭を見て、雨宿り。
師匠としばし、おしゃべり。普段作業をしていると、なかなかゆっくりと話すことが
できないのでとても良い時間だった。
木々も雑草や草花と同じ、成長にあわせて、すいていく必要があること。鎌倉ならではの崖の岩肌を空間として、うまくみせていくこと。芝生をはると下ばかり気にするが、日当たり、上の木々のことも気にするべきということ。建物の立ち上がり部分は隠さないほうがいいということ。池があることがわかるように、いろんな場所から池が見えるように調整すること。池のエッジはいつも見えるようにすること。いろんな分野の人と付き合うことが大切だということ。。。
挙げればキリがないのだが、、、心に残る言葉ばかり。
降ってはやみ、降ってはやみを繰り返し。やっと晴れ間が見えたら夕方であった。
気がつけば、庭仕事をはじめて丸2年がたった。
初めての日、ヘメロカリスの花がらを摘むのが、最初の庭仕事だった。
何にもわからなくて、やりはじめたものの、雑草の見分けもつかなくて、とにかく時間がかかった。
デザイナーでは、取りまとめのリーダーであるけれど、庭では一番下っ端。職人さんには、笑われながら、わからないことはどんどん聞いてひたすら調べ、少しずつ植物や花の名前を覚え、愛着をもちここまできた。
お庭は観察するもの、という師匠の言葉から、ほぼ観察する日々。庭のメンテナンスと掃除で日々が終わる。怒られることは一度もなくて、新しくつくる庭では、ここは自由にやっていいよと言ってもらい、白いキャンパスの上に絵を描くように植えたときのワクワク感は忘れられない。庭は、作ったことで終わりではなくその時からはじまりそして変化していく、成長していくというのが面白い。
お客様と話をすることも勉強になり、お庭が好きだという人もいる。この作られすぎない自然のままの感じがいい という言葉は多くいただき、少なからずお庭があることでここに来るという人もいるというのは、とても嬉しい。
花は季節で変わり、緑の色も変わる。カモがやってきてお昼寝もするし、トンボは追いかけっこしてうるさいくらい。カエルは、オタマジャクシからいつのまにか大人になり山で鳴いている。かさこそと鳥が飛び回ったり。リスが、ものすごいスピードで木々を走り抜けていく。
同じ風景など一度もない事に気づく。
恵みの雨のなか、恵まれているのは自分だと気付かされる。
明日も元気に笑顔でいよう。
ヘメロカリス 別名 デイリリー 1日しか咲かない。
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